戦後70年、教会の課題(1)

 先月、JEA(日本福音同盟)の総会では、「戦後70年にあたってのJEA声明」を採択しました。そこで問うたことを説明加えてお話したいと思います。

 戦争直前の1939年、国は宗教団体法を制定しました。その目的は宗教団体を一つにまとめて政府の統制下に置くためです。教会数50以上、信徒数5,000名以上でないと教団として認めない。それ以外は秘密結社。事実上、教会を一つに束ねることでした。主にあって一つという公同教会のあり方ではなく、強いられて合同させられたのが1941年に成立した日本基督教団です。

 その規則は「皇国ノ道ニ従ヒテ信仰ニ徹シ各其ノ分ヲ尽シテ皇ヲ扶翼シ奉ルベシ」と定め、統理を伊勢神宮に参拝させます。一方でその規則は「本教団ハ旧新約聖書ヲ以テ所依ノ教典トシ使途信条其ノ他ノ信仰ノ告白ニ準拠ス」と伝統的な教理に立ちます。聖書に従い、一方で皇国の道に従う、ダブルスタンダードです。「あなたには、わたしのほかに、ほかの神々があってはならない。」(出エジプト20:30)のみことばが求める神のみに従うことから逸れた罪です。

 1942年「戦時布教指針」が発布されます。そこには「愈々必勝ノ信念ヲ昂揚シ堅忍持久総力ヲ挙げて戦ヒ以テ聖戦目的ヲ完遂セザルベカラズ、国民精神ノ指導ニ任ズル宗教々師タル者ノ責務ヤ真ニ大ナルモノアリ、殊ニ本教団ハ今次大戦勃発直前ニ成立シタルモノニシテ正ニ天業ヲ翼賛シ国家非常時局ヲ克服センガ為ニ天父ノ召命ヲ蒙リタルモノト謂ハザルベカラズ」と記されるのです。この戦争は聖戦という召命をいただいたという理解、それは日本だけはなく、宗教の名を借りた戦争の正当化が行われることと同じ。その始まりはもはや神が神とされなくなるところから始まるのだということを肝に銘じたいのです。