時代の変遷と伝道(1)

 アフター・コロナと言ってもまだ終わっていないのですが、教会の営みは前とは違っています。そして、教会員も教会外の人たちもキリスト教や教会についての意識が変わってきています。その中でどのように伝道の使命を果たせるのかと考え祈り続けています。時代の変化は早く、昔と同じようにとはいきません。頭を切り替えなければならないのですが、なかなかままなりません。その変化と糸口をご一緒に考えてみたいと思うのです。
 日本の多くの教会は戦後再スタートあるいは福音派の多くの教会は宣教師の働きによって生まれました。ですから、起点はそこから考えたらよいと思うのです。時代は空前のキリスト教ブームです。国家神道のもと国体こそが精神的基盤であった日本人はそれが瓦解して心の拠り所を求めていたこと、進駐軍とともになだれ込んできた豊かなアメリカ文化への憧れとともに教会へと足を運んだ人たちが大勢いました。
 甲府では富士川小学校で伝道会が行われました。道志村では宣教師のために家を建てて迎えたと聞きます。福島第一バプテストキリスト教会、そこは福島の一番田舎。村で開いた伝道会に500人もの人たちが詰めかけたと記録が残っています。この時期に子ども時代を過ごした人たちは教会学校に足を運んだ人たちが少なくありません。しかし熱しやすく冷めやすいのが人の常。ブームはまもなく去って行くのです。
 進駐軍のマッカーサーは日本に1000人の宣教師を送ると言ったそうですが、それに応えて若い宣教師たちが長い船旅をして橫浜港から日本各地へと散って行きました。日本に100の教会を建てると言ったのはTEAMのカックス宣教師です。センド宣教団の前身は極東福音十字軍です。日本を福音へと奪還する意気込みが名前に表れています。そして、日本の国も若かった!平均寿命は男50歳、女54歳。時代は前へ開いていたのです。(続く)