牧師の継承のために

現在、JECAの牧師の平均年齢は60代前半、日本の平均はもう少し上のようです。しかも、ボリュームとしてはやっぱり団塊の世代が多いのです。あと5年後、10年後、一斉に牧師を続けられなくなり、次の牧師が起こされる祈りは急務です。

 牧師という働き、それは人を扱う務め。人生経験豊かであることが用いられる働きでもあります。ですから、老いてもなお働き続ける牧師は少なくありません。しかし、どんなに元気であっても、体力的な限界はやってきます。先輩諸師を見ていると60才を境に体力的な限界を覚え、無理を続けると病という傾向にあります。それは一般の社会でもそうでしょう。対外的な奉仕、団体の奉仕をするのはおおよそ65才くらいまででしょうか。その辺りからは5年刻みです。70才くらいまではそれでも元気に奉仕なさるケースが多くありますが、それを越えると奉仕の範囲は限りがでてきます。

 75才、世で言う後期高齢者という歳になると、もう、必要を十分することはできなくなります。新しいことができないばかりではなく、考えを変えられない頑固さがどうしても頭をもたげてくることが避けられません。一方で引退は簡単ではありません。若き頃、年金もかけずにただ献げた諸師の中には、牧師を辞めた途端に生活できなくなるというケースも少なくないのです。

 牧師の多くにその時期が迫ってきている。その次の者たちが起こされていくことを祈るとともに、安心して次に働きをバトンタッチして老いを生きることができるように整えることもまた課題です。JECAでは、神学生支援基金を創設することが決まりました。一教会だけではできないこと、諸教会が協力して、日本の宣教、世界の宣教のためによい協力を、そして継承を祈りたいのです。