米大統領選は前回もそうだったのですが、混迷を極めました。選挙方法は決められた手順とルールがあるはずですが、そんなルールはお構いなしに自分が有利になった時点で開票をやめろだとこと、裁判所に提訴するだの私たちの感覚からすると全く理解できないような発言が相次ぎます。また、その選挙戦も確信もって自分の政策をアッピールすることよりも、対戦相手をけなすことに終始するような発言に心が痛みます。
米国の選挙制度は複雑です。直接選挙制ではなく、間接選挙。そして、各州の投票で1位になった候補者が、その州の選挙人を全て獲得する「勝者総取り方式」が採用されています。それに加えて郵送投票。その〆切も各州毎に異なっています。ですから、選挙結果が出るまでに時間がかかります。合衆国というだけあって、州ごとの権限と責任が強く、それを合わせいるからです。
はたから見ていると、これぞ大統領!と信頼できるような人、そこまでとは言わずとももう少しましな、というよりまっとうな人が出てこないのか。そんなことを考えます。しかし、自国をみればそれはまた同じことですし、歴史上の人物も欠けだらけです。聖書の中に出てくる王たちもまたしかり。そもそもそんな批判じみたことを考える自分自身はどうなのかといえば、それもまた心許ない自分自身です。実にこの世の権力者というものは立たされて立っているに過ぎません。
しかしながら、そこに立たされた人には、それにふさわしい品位を保つことが求められます。秩序を生み出す大切な務めを委ねられているのですから。自らの中に矛盾を抱えていては役を果たすことはできません。王の王であられるお方の前に立っていることを覚えて正しい恐れを持つことができるように。そして与えられた務めのゆえに謙遜にその務めを果たすことができるように私たちも、とりなし祈りたいと思います。