特別に愛されている者

 祈祷会で学んでいるダニエル書の9章と10章に「特別に愛されている者(人)」という表現がダニエルについて書かれています。前の訳では、「神に愛されている人」と言う訳でした。他の訳を調べてみると英語の訳では、highly esteemed(NIV)、greatly beloved(ASV、ESV)などに訳されています。ヘブル語原典では「ハムドット」という語ですが、他に「高価、宝」などに訳される語です。人に当てて使われているのはダニエルだけです。
 ダニエルはユダの末期に捕囚としてバビロンに連れて来られた一人です。彼は各地から捕囚となった少年たちのうち、優秀な者たちを選抜して国に役立つ人材を育成する中に選ばれ、3人の仲間とともに教育を受けます。抜きん出ていた彼は王の夢を解き明かし、王に仕える高官に抜擢されます。周囲のねたみを買って、3人の仲間は燃える炉に投げ込まれます。ダニエルもねたみから獅子の穴に投げ込まれます。しかし、そこから救い出され、バビロン、メディア、ペルシャと治世が代わる中、歴代の王たちに仕えます。
 ダニエルが特別に愛されている者と呼ばれるのは、彼がいわゆる祝福をいただいたということではありません。彼に神のみこころ、秘められたご計画が知らされたからです。そうです。それは神が特別に親しい交わりに入れ、これからなさることを明かされました。しかも、そのご計画は今のことだけではありません。永遠のご計画が知らされるのです。
 私たちはこの国の中で、この世界の中で、ごくわずか、キリストの救いに与り、みことばを通して永遠の神のご計画を知らされた者たちです。それは、神が私たちを「特別に愛されている者」としてくださっていることに他なりません。それは主が彼を豊かに用いられる器とするためです。あなたも私も「神に特別に愛されている者」です。だからこそ、周りの祝福のために用いてください。あなたの愛の器にしてくださいと祈りましょう。