「ひとつ心でともに生きる」ピリピ2:1-14

 「天国と地獄」という話、それは、長~いスプーンとフォークを持つ二つの食卓。自分のことだけ考えてぶつかり争う世界か、互いに仕えて皆が喜ぶ世界か、そこに生まれるものは全く違うものです。一方、そんなよい話を聞いても、そう生きるのは難しいものです。変革につながる力はどこからくるでしょう。
 第一に私たちのあるべき姿を知ることです。私たちは創造主なる神のかたちに作られています。三位一体の父なる神、子なるイエス、聖霊なる神はそれぞれ人格を持ちながら一つです。完全なる愛と一致と調和で結ばれているのです。そのように造られた私たちは、一つになることを喜ぶ者たちなのです。
 ところが、「不平」が起こります。私たちの世界には、「不公平だ。面白くない」というものが満ちています。様々な格差があり、差別があって、それは、最も身近な人の関係から始まって、世界大にまで拡がっています。あなたはいつ不平をつぶやきましたか。イラっとしましたか。「しょせん、だから、やっぱり」とあきらめたり、ごまかしたりしてやり過ごしていたりしていませんか。それは自分本位、自分中心にものを考える私たちの罪です。
 それを乗り越えるために、「何事も利己的な思いや虚栄からするのではなく、へりくだって…自分のことだけでなく、ほかの人のことも顧みなさい」という奨めがされています。それは、「キリスト・イエスのうちにあるこの思いを、あなたがたの間でも抱きなさい」との言葉が鍵です。私たちが努力や忍耐を重ねて、不平や疑いを捨ててガンバレというのではありません。いのちの造り主である神ご自身が、自らを捨てて私たちのところに来て、醜い罪のために十字架でいのちを捨てて贖いをなしてくださった。その足跡に従うようにと招いてくださっているのです。不平が心にもたげるとき、小さな祈りによってキリストに導かれ、ひとつ心でともに生きようではありませんか。