あいうえおの法則1「あ」

 先日、結婚式の祝辞を依頼されました。だいたいスピーチの内容というのは、忘れられていくもので、覚えられることは少ないのです。今回は新婚の二人にぜひ覚えていただきたいと頭をひねって考えてみました。「あいうえお」でいこう!と。

 「あ」は「あきらめない」です。昨今、結婚生活をあきらめてしまう人が実に多いことに心を痛めます。その数2割とも3割とも言われ、私たちの身近にも少なくありません。教会で結婚すると「富めるときも、貧しきときも、健やかなるときも、病めるときも…いのちの日の限り」と誓いをします。生涯で誓いを立てるのは、このときくらいかもしれません。しかし、私たちは、自分の誓いを守りきれるような者でしょうか。いや結婚の誓約だけではありません。「二度としません」とか、「絶対に」などということばを口にしながら、守りきれないことがあるのです。

 だからといって、あきらめていいのでしょうか。そう、私たちは多くの点で失敗をする者です。また、残念ながら同じことを何度も繰り返してしまう愚かな者に過ぎません。そのことを受け入れて素直に謝る。謙遜に「ごめんなさい」のひと言を口にすることが大切ではないでしょうか。そして、十字架のイエス様が私たちを赦してくっださったように互いに赦し合うのです。

 それでも、私たちは建前でわかっていても心が追いつきません。だからこそ、あの日、あの場所で主の御前に誓いを立てたことを大切にするべきです。いつも初心に帰り、自分たちにではなく、主が導きたもうことをと信じるのです。主の前に立ち続けるのです。戻るべき原点。どんな困難があってもあきらめない原点は十字架のイエス・キリストにあるのです。そこからそれずに決してあきらめない歩みをしようではありませんか。