アルタバン、もう1人の博士

 子どもの頃に聞いて心に残っているクリスマスのストーリーに『もう一人の博士』という話があります。19世紀のヘンリ・ヴァン・ダイクという人の作で、3人の博士の他にもう一人の博士がいたというフィクションです。
 アルタバンは3人の博士とともに旅立つその日、死にかけている人に出会います。自分がここで見捨てたらこの人はどうなるだろう。彼は放っておくことができませんでした。この人を助けている間に3人は旅立ち、遅れた彼がベツレヘムに着いた時には、イエス様と両親はすでにエジプトに逃れた後でした。
 そのあともアルタバンはイエスさまに会おうとしました。でも会えそうで会えない。その代わり、行く先々で出会った貧しい者、悲しんでいる者を助けて回りました。そうして33年も経ってしまいました。
 アルタバンはもう一度エルサレムに来ました。イエスさまが十字架につけられようとするところでした。イエスさまにささげるつもりで持ってきていた宝石のうち、最後の一つが残っていたのですが、目の前で別の女性が奴隷として売られようとしていたのを見て、最後の宝石を使ってしまいます。彼はこれで、イエスさまにお会いする最後のチャンスも失ってしまいました。
 アルタバンは死ぬ間際にイエスさまの声を聞きました。彼はそれに答えて言いました。「33年間、主をさがし求めておりました。しかし、お顔を見たことも、お役に立ったことも、ただの一度だってないのです。」これに対して美しい声の答えがありました。「あなたによく言っておく。わたしの兄弟であるこれらのもっとも小さいもののひとりにしたのは、すなわち、わたしにしたのである。」この声を聞いて彼は息を引き取りました。最期の最後にイエス様にお会いできたのです。
 この美しいストーリーが伝えるのはイエス様に仕え生きる幸いです。恵みを受けたに応えてお仕えすることを覚えましょう。