ノアの洪水後の世界、権力を手に、覇権を求める世界、その絶頂の一つがバベルの塔です。人・モノ・カネを集中させてヒエラルキー・階層社会を造ります。神はそれを止めるために言葉の混乱をもって散らされたました。世界に権力は分散され、すべてを一つに支配するようなことは決して起こらないことを学びました。
分散された権力が一方で争い合います。今祈祷会ではダニエル書を学んでいますが、背景にあるのは捕囚の地、バビロンです。バビロンの前に力を持った国はアッシリア。北イスラエルを滅ぼしました。それがバビロンにとって代わり、バビロンはメディアに、ペルシャに、そして、さらにそれはギリシャに、ローマにと覇権は移っていきます。
バビロンのネブカドネツァルは大きな金の像を作り、これを拝むように強要します。その権力のしるしです。従わない者は燃える炉に投げ込まれるという掟を定めますが、シャデラク、メシャク、アベデ・ネゴは主に救い出されます。それでも高ぶる彼は獣のようにされます。ベルシャツァル王は、王国に危機が迫る中、宴会を開き、エルサレムの宮の金銀の器で酒を飲みます。驕った彼は殺されます。すべての道はローマに通ずと言われた帝国も東西に分割され、やがて滅ぼされていきます。
今、傍若無人に振る舞っている国も主は決してそのままにしておかれることはありません。それを知っていても、主よ。いつまでですか?と私たちは思います。『一人の強い御使いが、大きいひき臼のような石を取り上げ、海に投げ込んで言った。「大きな都バビロンは、このように荒々しく投げ捨てられ、もはや決して見出されることはない。』(黙示18:21)と裁く日を主は備えておられます。私たちは、「みこころが天で行われるように地でも行われますように」とこの地にあって誠実に生きることを自らに、そして、神がことをしてくださることを祈りたいのです。