小さな大望を捨て、大志を抱け

 表題のことばは、ドナルド・E・ホーク、東京基督教大学(TCU)の前身である日本クリスチャン・カレッジ(JCC)の創立者であり初代学長の言葉です。

 彼は母校、ホイートン大学で抱いた世界宣教の志をもってTEAMの宣教師として来日しました。日本語の勉強を終えると協力関係にある同盟基督教団の同盟聖書学院を福音主義の超教派神学校、それも伝道者養成だけに限らず、信徒も含めたキリスト教リベラル・アーツ(専門教育ではなく、人を造る基礎教養学問)を目指す大学へとリードしました。

 彼の祈りと願いは常に世界に開かれていました。世界人口は72億人と言われます。そのうちの4割は福音を聞くこともなく、教会もない。一方、私たちは毎日毎日の小さな日常生活に埋没してしまいがちだ。だから、日常の小さな大望を捨てて、キリストの宣教のために大志を抱いて献げよう。それが彼のモットーでした。

 大学の沿革を紐解くと、1955年、JCC発足。溝口捷支師、藤原孝行師も高校卒業と同時にJCCに学びました。1963年、杉並から国立へ移転。1966年、東京キリスト教短大(TCC)発足。1975年、ホーク師TCCを辞任、1981年、共立女子聖書学院、日本基督神学校と合同。東京キリスト教学園として3校併立。1989年、千葉県印西市に移転。1990年、東京基督教大学(TCU)に改組、2010年、東京基督神学校がTCUの大学院に改組。

 この間、多くの牧師・伝道者、また信徒を送り出してきました。日本のキリスト教会にあるいは世界に送り出した人材は少なくありません。時代は変われど、次の時代にキリストにあって大志を抱き、献げて生きる者たちを生み出す働き。しかし、それは主が立てられた人から人へと受け継がれていく。そのために覚えて祈る者となりましょう。