昔から地方では、「子どもを優秀に育て過ぎると出ていく」と言われます。地方教会を訪ねると見事に若い人がいなくなって高齢者ばかりの教会がそこかしことあります。残念ながら地方には学校もなく、働き場もなく、都会に出て行ってUターンできずにそのまま都会に残り続けるしかないのです。
あちこちを旅すると、東京から新幹線に乗り、あるいは飛行機に乗りするとどこに行くのでもあっと言う間に着きます。そして、帰りには、東京まで来て、「あと2時間かぁ」と新宿で電車に乗るとホッとため息をついたりもします。そして、その傾向はますます強まって、東京への一極集中に拍車がかかっています。人口減が始まった日本ではその傾向は避けられず、また、団塊の世代がいなくなると一気に人口減、ますます都市集中の国になっていくでしょう。時代は変わるのです。
今から50年前を考えれば、今のような時代が来るとは誰も予測できなかったでしょう。あるいは予見する人がいたとしても、多くの人はそれを理解できなかったでしょうし、その時になってみなければわからないことがほとんどです。時代の変化は避けられないのです。私たちは愚かなもので、今がよければ、このまま続いて欲しいと願い、今に不満があれば代わって欲しいと思います。しかし、どちらも選べません。
そのような時代の流れの中にあっても、根本的な人の心は変わりません。また、人にとって大切なことも変わるわけではありません。次の世代の人たちに何を伝えることができるでしょうか。神の愛と信仰を、そして、それによって生きる生き方を伝えることこそ私たちに委ねられた大切な務めです。いつかはこの世を去らなければならない私たち。しかし、いつまでも残るものは信仰と希望と愛です。(1コリント13:13)