私の歴史知識は中学生レベル。卒業以来、歴史を勉強する機会がなかったからです。中学校の歴史も近現代史は最後のおまけ程度。その後、学んだことも歴史の断片に過ぎません。先日、近現代史が専門の元山梨大助教授、現東大教授の加藤陽子氏の話を伺って大変恥ずかしい気持ちになりました。あまりに私が無知だからです。
今は突然こうなったわけではなく、歴史の積み重ねの上に立っています。彼女は明治の開国、第二次世界大戦の敗戦、そして今回の東日本大震災が近現代日本の3つの大きな変化の節だと語りました。私も敗戦から大きな変化のない60数年を過ごす時代は日本になかった。今震災を通して問われていると考えていましたが、彼女はその認識を開国に遡るのです。また開国ということはそれ以前の鎖国の時代までを考えなければなりません。
さて、彼女の『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』という本を早速読んでみました。これは高校生向けの講義録です。その中でこう語ります。「人類は本当に様々なことを考え考えしながらも、大きな災厄を避けられずにきたのだということを感じます。私たちには、いつもすべての情報が与えられているわけではありません。けれども、与えられた情報の中で、必死に、過去の事例を広い範囲で思い出し、最も適切な事例を探し出し、歴史を選択して用いることができるようにしたいと切に思うのです。歴史を学ぶこと、考えてゆくことは、私たちがこれからどのように生きて、なにを選択してゆくのか、その最も大きな力となるのではないでしょうか。」
なおのこと、旧約聖書に働かれた神のみわざの歴史に学ぶことは、私たちにとって大切なことで、その背後におられる神からの語りかけを丁寧に聞く作業が私たちが耳を傾けるべきことではないでしょうか。