「砂漠の知恵」(ヘンリ・ナウエン監修)という本があります。これは4~5世紀のキリスト教の隠遁者たちが砂漠(荒野)で祈りと断食の修道生活する中で語られたことをまとめたもので、それは修道院の中で語り継がれてきました。世間から離れた生活をしたからといって、心がきれいになるわけではありません。問題は心の内側の問題だからです。しかし、祈りと黙想に集中することで、みことばに対する深い観想、己に対する深い洞察がされています。文字面だけなら、読み過ごしてしまうようなことばも多いのですが、深い知恵が隠されています。
「師父ポイメンが師父ピオールについて語ったところでは、彼は毎日をまっさらに新しく始めていた。」
新年を迎えると、私たちは新しい思いをいただきます。神さまが与えてくださった時というのは不思議で、機会機会を通して、私たちは不思議と自然に思いを新たにする気持ちになります。一方で、それは自然には行かないときの方が多いのです。いろいろとここで区切ろう、ここで切り捨てようと思っても、様々な思いを引きずってしまうのです。
朝ごとに、主の御前にみことばに思いを巡らし、「私の思い」ではなく、主の御前に小さな祈りをささげることを通して「毎日をまっさらに新しく」始めることができたら何と幸いなことでしょう。「主よ。今日もあなたがいのちを与え、生かしてくださます。どうか、新しい心、新しい思いで一日を献げます。」365日繰り返すなら、きっとよき実を結ぶことができるに違いありません。
あなたがたは、古い人をその行ないといっしょに脱ぎ捨てて、新しい人を着たのです。新しい人は、造り主のかたちに似せられてますます新しくされ、真の知識に至るのです。(コロサイ3:9-10)