熊本訪問記(2)

 激しい地震の被害がでるところでは、普段の生活がストップします。私たちも雪に閉じ込められたときに経験しましたが、陸の孤島となると、物資の流通が途絶えます。私たち現代社会は物流社会です。生活必需品、それらのはいつでもどこでも買えるゆえ、そのストックはどこも最小限しかありません。食べるものから衛生用品、スーパーとドラッグストアが空になります。

 電気・ガス・水道のインフラが途絶えるとこれまたすぐさま生活に困ります。電気とガスはともかく、水だけはどうしても必要で、一日たりともなくてはならないものです。続いて、住めない家がたくさんでました。恐くて家の中にいられない。一番安全かつ雨露をしのげるのは車の中。避難所で人に気遣いすることなくいられることから車中泊する人が多く、中には軽自動車に5人という話も聞きました。中には地震から2ヶ月経った今も車中泊を続けている人もいます。

 家でくつろげる安心というのは何にも代え難いこと、普通の生活を営むということはなんとありがたいことなのか。しかしながら、今回の地震は度重なる余震が続いてその安心を奪いました。本震だと思った地震の後がもっと強い本震。不安を抱えつつも、一旦、家に戻りながらも再び大きな揺れが襲ったことで、その不安はさらに大きくなったと伺いました。

 いったいいつになったら収まるのか。その不安を抱えながら、初動は北の福岡から、南の宮崎から、生活必需品が届けられ、炊き出しなどの支援がなされ、続いて片付けや屋根のブルーシート張りなどの援助の手が入り、生活再建のためのボランティアが続けられています。悲しめる人、困っている人、助けを必要としている人、そこに届く愛の奉仕を共にしたいと願います。