JEAと聖書信仰

 日本福音同盟(JEA)は、聖書信仰に立つ福音的諸教会の交流・協力機関で、教団・教派・教会、伝道団体から約100団体が加盟しています。日本のキリスト教界の中で大きな団体は日本キリスト教協議会(NCC)です。NCCは広くプロテスタント教派・教団・諸団体の協力連絡機関ですが、JEAの大きな特色は聖書信仰、「聖書を誤りない神のことばと信じる信仰」に立っていることです。それは福音派とも呼ばれ、私たちは当たり前のようにそう信じていますが、この点において理解の異なる教会も少なくないのです。

 明治期から日本に入ってきたプロテスタント信仰、初期の宣教師たちはみな聖書信仰でした。一方、18世紀から19世紀にかけて、近代の自由主義・合理主義的思想の流れの中にあって、欧米のキリスト教会は聖書の神話的要素をそのまま歴史的事実としては受け取らず、宗教的寓話として理解するような流れが強くなりました。それは自由主義神学と呼ばれ、教会の主流となりました。

 一方、人間中心の世界観はつの世界大戦を経て、その楽観的な人間中心的世界観は陰りを持つようになりました。そして、ドイツの神学者カール・バルトが始めた新正統主義神学が大きな影響を与えるようになりました。これについては改めてお話ししましょう。

 国家に対して、あるいは世界の、内外のキリスト教会に、聖書信仰に立つ教会の窓口となり協力する機関として、1959年に日本プロテスタント聖書信仰同盟が結成されました。それに先だって戦中に日本基督教団に合同させられ、戦後離脱した教会のうち、聖化、聖潔を強調する教団が1951年に日本福音連盟を設立し、それに、日本福音主義宣教師団(JE

MA)が加わって1968年にJEAが設立されました。国内外にともにキリスト教会として向かう課題について取り組んでいるのです。